イラク議会選挙、非バース化による混乱、政情不安定化
イラク政治の混迷:議会選挙、非バース化をめぐる混乱、政情不安定化
来るイラク議会の選挙へのバース党関係者の立候補禁止問題については、一時政府側が右措置を撤回ないし緩和したとも報じられたが、どうやら事実ではなく、依然としてイラク政府当局の同措置に対する強い反発があり、選挙ボイコットの動きが続いているようだ。
他方、在イラク米軍の撤退計画は、着実に進められているようであり、宗派対立が再燃すればイラク政情がさらに不安定化に向かうことが懸念される。 ( Y.I.)
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2月18日「国際情報センター」記事
「イラク政治の混迷:議会選挙、非バース化、イランの影、宗派対立の再燃?(2)」
1、 1月23日付ブログに同じ標題の記事を掲載したが、その後の動き、次の通り。
(1) イラク選挙委員会は2月13日、バース党と関係があったので、立候補資格がない
とされた515名のほとんどは3月の議会選挙の投票用紙に記載されないと発表した。
スンニ派とシーア派の世俗的な候補者を抱えるイラキヤ連合(アラウイ元首相が指導者)のリストNo.2のムトラクやNo.3のダフィル・アル・アニは立候補できないことになった。イラキヤはマリキ首相率いる「法の国家」連合への最強のライバルと考えられている連合である。
(2) 1月14日、選挙委員会が非バース化機関である「問責・正義委員会」の決定を受
け、立候補資格なしとした515名中、171名が上訴審に決定の取り消しを求めたが、立候補が認められたのは26名に過ぎない。145名は立候補資格なしとされた。
2月3日、上訴審は証拠を調べる時間がないという理由で、立候補資格の審議を拒否したが、マリキ首相などがこれに反対し、上訴審が2日後、審議を行うという逆の決定をして、2月13日の発表になった。
171名以外の人は上訴しないか、他の候補に差し替えられた。
(3) ムトラク議員(元バース党員、しかし1977年バース党より追放された)は「国
際社会はこういう経緯で選ばれる政府を承認すべきでない」と述べた。アラウイ元首相は2月13日、自分の連合の選挙運動の3日間の停止を宣言し、議会の特別会合と大統領評議会の開催を求めている。アラウイ元首相は、「もし我々が一つの宗派を疎外すれば、以前我々が歩んだ道に戻ることになる」と警告している。スンニ派の中には選挙ボイコットの声と前回ボイコットしたおかげでスンニ派が議会で相応の議席を得ず、ひどい目にあったことを繰り返すなとの声がある。
(4)1月23日のブログに書いた米・バイデン副大統領の案(とにかく現在の候補を投票紙に記載し、選挙後バース党との関係を精査するとの案)はイラク側の受け入れるところにならなかった。
2、この問題は今後のイラク情勢に大きな意味を持つ。
第1:3月の選挙結果が正統性を失い、その結果できる政府の正統性や統治能力を阻害する恐れが大である。
第2;スンニ派とシーア派の対立再燃の引き金になる恐れがある。
2月17日付ワシントン・ポスト紙は「イラクで宗派間抗争の亡霊が再登場:最近の暴力は米が撤退するに伴い、スンニ派・シーア派抗争が爆発するとの恐怖を強めている」との記事を掲載し、民兵組織の活動の活発化、シーア派住民地域でのスンニ派住民の恐怖などについての報告を掲載している。
第3:非バース化に責任を持つ「問責・正義委員会」をアハメッド・チャラビとその側近のラミが牛耳っている。
2月17日付ニューヨーク・タイムズ紙は「将軍、二人のイラクの政治家はイランと結びつきを持つと発言」と言う記事の中で、オデイエルノ将軍(在イラク米軍司令官)が2月16日、「アハメッド・チャラビとアル・ファイサル・ラミは明らかにイランの影響を受けている。我々はそれを示す直接の諜報を持っている」とワシントンでの会合で述べたと報じている。
3、 2月17日付USA Today紙は「イラクにおける米兵力、2003年侵攻以
来最低のレベルに」との見出しの記事を掲載、現在、米兵力は9万8千名であり、選挙後2カ月はそのレベルを維持すること、しかし8月31日までには5万に削減されることを報じている。
イラク駐留米軍撤兵はスケジュール通りとされているが、そのこととオバマ大統領のスローガンともいえる「責任ある撤退」との考え方が矛盾してくる惧れがある。
なおテロ事件はまだイラクでは引き続き起こっている。
上記記事の原文は、http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/34656784.htmlでご覧になれます。
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